運命というものがあるのなら、それは多数の枝を持つ大樹のような姿をしているに違いない。何かの本で、そんなふうに読んだ。
 未来は可能性に満ちているから、何だって起こり得る。もちろん、バッドエンドの可能性だってある。
 そんな当たり前のことに、いざ直面するまで、わたしは気付かなかった。そこそこの不幸を抱えながらも長生きできる程度にわたしはしたたかだ、と思っていた。
 ダメなものはダメなのね。
 わたしを救おうと頑張ってくれて、ありがとう。あなたたちの気持ちは伝わってきた。
 でもね。
 強がって背伸びをしていないと生きていけないわたしは、そう簡単にココロを開くことなんてできないの。あなたたちがわたしのそばへ近付けば近付くほど、孤独の痛みがわたしを刺した。