――ときどき、妙な夢を見る。
 夢の中のオレは、現実のオレにそっくりだ。銀髪の悪魔と呼ばれているし、ひねくれ者で、バンドマンで、兄貴にだけは、どうもかなわなくて。
 でも、一つだけ違ってる。夢の中のオレは超能力者だ。光のバリアを張って、銃弾を防いだりする。
 ガキっぽい夢だ。でも、実は相当、気に入ってるのかもしれない。しょっちゅう見てるんだ、その夢。一度や二度じゃなくて、数えきれないくらい何度も。
 何の映画の影響なんだろう? バリア、か。本当に使えれば、ケンカの役に立つか?
 そんなもんなくても、オレは強いんだが。