運命というものがあるのなら、それは、多数の枝を持つ大樹のような姿をしているに違いない。何かの本で、そんなふうに読んだ。
 少年は、誓った。
「ぼくは、変えてみせる」
 苦しくて、悲しくて、寂しくて、涙の流し方も忘れるような、この十五年間を。
 運命の大樹の枝が分かれる可能性があるならば、幸せな未来へと分かれてゆく枝があるならば、何としても、その幸せな未来がほしい。