「すみません、お嬢様。昨晩は過去のことを色々と思い出したせいか、なかなか寝付けず……実は少し寝不足で。お嬢様にそんな顔をさせるつもりは」
「ルカが寝不足⁉」
いつも一番遅くまで起きていて、誰よりも早く起きるルカ。
そのせいか、ベッドでぐっすり眠っているイメージは沸かない。でも、短時間睡眠派だと勝手に思っていたから、寝不足というイメージもあまり……――。
(あれ……?)
「そういえばルカ、お休みの日が……。私が当主としてちゃんとしなきゃいけないのに。アリアにもルカにも、休日をあげたこと無いわ……。疲れがたまりすぎて、眠れなかった可能性もあるでしょう?」
「疲れてなどいませんよ。私達は大丈夫です」
優しく言ってくれるルカだけど、私の中にはじわじわと後悔が広がっていく。自分のことばかり、わがままだった自分が恥ずかしくなった。