中庭の東屋に来るのは久しぶり。

白い柱には、つるばら。オールドローズやランブラーローズ。春には華やかに咲き誇る。手入れがよく行き届いているのはアリアのおかげだ。

時々冷たい風が吹いたけれど、東屋には日差しが入るからあまり気にならなかった。――ひざ掛けもあるしね。


「ねぇ、ルカ?」

「はい」

「今日、ちょと遠くない? なんでそんなに離れたところにいるの?」

「……。気持ち悪かったら……と思いまして」

「へ?」


私から視線を外したルカは、小さく咳払いをした。

いつも近くにいてくれるから、変に距離を取られると逆に落ち着かなくて。

二人分開いた隙間を、「えいっ」と頑張って埋める。

すると、ルカも同じように隣へずれた。


「いけません――」

「いけませんって……。私……ルカに何かしちゃった? 昨日書斎に入ったこと、まだ怒ってる?」

「いえ」


困ったように笑われて、私は意味がわからないと首を傾げる。いつものルカらしくない――。