私は即座に否定したが、草壁さんはなにも言わずに目の前の食べ物に集中している。
駄目だ、この人もなによりも食にガチな人なんだった……。
「それにしても花井さん、大食いってほんとなんですね。私その半分も食べられない、すごーい」
久々にこんな真っ向から大食いっぷりをいじられたので、私は一瞬固まってしまった。
そうか、ふつうのOLからしたらこの量はほっとけないほど衝撃的だよな……。最近草壁さんにはどんどん食を与えられるし、植物レストランの人にもなにも指摘されなかったから、これが普通の量ではないことを忘れてしまっていた。
「えへへ、すみません。代々大食いの家系なもんで……」
そんな風に軽く答えると、なにを思ったのか、草壁さんが急に口を開いた。
「榎本、俺は人の食事の仕方は自由であっていいと思うけど」
「えぇ、私褒めるつもりで言ったんですよ。最近大食いの人の動画とか流行ってますし」
「そうか、俺にはそう聞こえなかったけどな」
まさか、大食いを理由に振られた過去を知っている草壁さんは、気を使ってフォローしてくれたのだろうか。
そんなまさかね……。
なんてことを思っていると、気まずい空気から逃げるようにスマホを見た榎本さんが、急に大声を上げた。
「えっ、モデルの葵が、女装癖あるってニュース出てる!」
「ええ?」
榎本さんよりも思わず大きな声で驚いてしまった。
草壁さんもさすがに驚いた様子で、一旦食べることを止めた。
SNSのアプリを開くと、たしかにトレンドに『茎田葵』のタグが上がっている。
そのタグをクリックすると、『超人気モデルの茎田葵、女装癖の趣味あり?』というタイトルのネット記事に行きついた。
写真はなんと、植物レストランの目の前で撮影されたものだった。
「えー、葵結構好きだったのに、そっちの世界の人だったんだー」
榎本さんの残念そうな言葉が、まんまネット記事のコメントに載ってい他感想で、それが世間の多くの声なのだろうかと、悲しくなった。
どうしてこんな記事が、こんなタイトルで拡散されているんだ……。
きっと葵さんは、自分のタイミングでファンに伝えたかっただろうに。
そう思うと、悔しくてたまらなくなった。
駄目だ、この人もなによりも食にガチな人なんだった……。
「それにしても花井さん、大食いってほんとなんですね。私その半分も食べられない、すごーい」
久々にこんな真っ向から大食いっぷりをいじられたので、私は一瞬固まってしまった。
そうか、ふつうのOLからしたらこの量はほっとけないほど衝撃的だよな……。最近草壁さんにはどんどん食を与えられるし、植物レストランの人にもなにも指摘されなかったから、これが普通の量ではないことを忘れてしまっていた。
「えへへ、すみません。代々大食いの家系なもんで……」
そんな風に軽く答えると、なにを思ったのか、草壁さんが急に口を開いた。
「榎本、俺は人の食事の仕方は自由であっていいと思うけど」
「えぇ、私褒めるつもりで言ったんですよ。最近大食いの人の動画とか流行ってますし」
「そうか、俺にはそう聞こえなかったけどな」
まさか、大食いを理由に振られた過去を知っている草壁さんは、気を使ってフォローしてくれたのだろうか。
そんなまさかね……。
なんてことを思っていると、気まずい空気から逃げるようにスマホを見た榎本さんが、急に大声を上げた。
「えっ、モデルの葵が、女装癖あるってニュース出てる!」
「ええ?」
榎本さんよりも思わず大きな声で驚いてしまった。
草壁さんもさすがに驚いた様子で、一旦食べることを止めた。
SNSのアプリを開くと、たしかにトレンドに『茎田葵』のタグが上がっている。
そのタグをクリックすると、『超人気モデルの茎田葵、女装癖の趣味あり?』というタイトルのネット記事に行きついた。
写真はなんと、植物レストランの目の前で撮影されたものだった。
「えー、葵結構好きだったのに、そっちの世界の人だったんだー」
榎本さんの残念そうな言葉が、まんまネット記事のコメントに載ってい他感想で、それが世間の多くの声なのだろうかと、悲しくなった。
どうしてこんな記事が、こんなタイトルで拡散されているんだ……。
きっと葵さんは、自分のタイミングでファンに伝えたかっただろうに。
そう思うと、悔しくてたまらなくなった。