言葉にしてから、結構恥ずかしい発言をしてしまったことに気づいて、私は赤面した。
 そんな私を見て、草壁さんは、本当に一瞬だけ笑ってくれた。
 そんな草壁さんを見て、また胸の一部がきゅうっと苦しくなる。
「笑顔、たしかに可愛いですね……?」
「うるさいな。ていうか、大食いがそんな量で足りんのかよ」
「足りません! おかわりオーダーしてもいいですか」
 どうしよう、私、このお店が大好きになってしまった。
 そんな本音を口にするのは、さすがに恥ずかしすぎるので、気持ちを抑えるようにたくさん草壁さんの手料理を食べた。
 お腹いっぱい、幸せで満たされた金曜夜だった。

第二話 終