夏希は黙って私の話を聞いてくれている。
私は自分のペースで、思ったことを伝えいく。
「最低なことで悩んでるってのはわかってるし、こんなに悩むならその場の勢いで返事するなって話なんだけど……」
本当に言いたいことが見つからない。
曖昧な言葉で、時間を稼ぐ。
「ずっと聖の優しさに甘えて、聖を知らないうちに傷つけてて、これ以上聖のこと苦しめたくない……のに……」
少しずつ言いたいことに近付いていることが、なんとなくわかる。
私は足を止め、夏希のカーディガンの袖を掴む。
夏希も立ち止まってくれて、私は顔を上げた。
「友達に戻りたいって言って、聖が離れていったらどうしよう……!」
自分でも驚いたけど、私は涙目になっていたらしく、一粒の涙が頬を濡らした。
夏希はさっき私が冬花ちゃんにしたみたいに、私の頭に手を置いた。
「大丈夫。アイツはそんな人間じゃないよ」
「でも……」
天形とのことがあるから、ないとは言いきれないとも思うし……
「……沙奈ちゃんには、誰かを傷つける勇気を出せって言われたの。でも、誰かを傷つけることでしか幸せになれないとしても、私は誰も傷つけない選択肢を選びたい」
話していくうちにまとまるもので、どうしたいかがはっきりした。
だけど、夏希は真剣な面持ちで私を見てきた。
私は自分のペースで、思ったことを伝えいく。
「最低なことで悩んでるってのはわかってるし、こんなに悩むならその場の勢いで返事するなって話なんだけど……」
本当に言いたいことが見つからない。
曖昧な言葉で、時間を稼ぐ。
「ずっと聖の優しさに甘えて、聖を知らないうちに傷つけてて、これ以上聖のこと苦しめたくない……のに……」
少しずつ言いたいことに近付いていることが、なんとなくわかる。
私は足を止め、夏希のカーディガンの袖を掴む。
夏希も立ち止まってくれて、私は顔を上げた。
「友達に戻りたいって言って、聖が離れていったらどうしよう……!」
自分でも驚いたけど、私は涙目になっていたらしく、一粒の涙が頬を濡らした。
夏希はさっき私が冬花ちゃんにしたみたいに、私の頭に手を置いた。
「大丈夫。アイツはそんな人間じゃないよ」
「でも……」
天形とのことがあるから、ないとは言いきれないとも思うし……
「……沙奈ちゃんには、誰かを傷つける勇気を出せって言われたの。でも、誰かを傷つけることでしか幸せになれないとしても、私は誰も傷つけない選択肢を選びたい」
話していくうちにまとまるもので、どうしたいかがはっきりした。
だけど、夏希は真剣な面持ちで私を見てきた。