そのメッセージ一つに、必要以上に苛立った。

 この前あんな状況で会って、元気?ってよく聞いてこれたな、天形……
 何がしたいのか、さっぱりわからない。

 聖くらい、はっきり言ってくれたらいいのに。

『元気。そっちは?』

 そう思うのに、踏み込めない私は臆病者だと思う。

 天形に返信したが、なぜかその日のうちに返事はなかった。



 翌日、私の気分同様に空模様は最悪だった。

 聖とどう接したらいいのかわからないし、天形に腹が立ちながらも、メッセージが来たことに喜んでいる自分がいるような気がして、もう考えることを放棄したくなるような気分だった。

「おはよう、ひなた」

 あと少しで校門をくぐろうかというタイミングで、聖と会った。

「お、おはよ……」

 私だけが気まずさを感じているのか、聖はすっきりしたような、爽やかな笑顔だった。

「どうした、ひなた。元気ないみたいだけど」

 まるで昨日のことがなかったみたいに、天形と同じようなことを言われた。
 そのせいか、私は何も返せなかった。

「……もしかして、やっと俺のこと意識してくれた?」

 横を歩く聖は、耳を赤くしていた。