ひなたのことはずっと好きだった。
 多分、自分が思っている以上に長い片想いをしてると思う。

 ひなたに嫌われないよう、必死だった。

 それが、ダメだったのかもしれない。

「聖、ご飯はー?」

 顔を洗っていたら、キッチンの方から聞こえてきた。

「いらない」

 洗面所を出て、自室に向かう。

 勉強机の上に置いているひなたと夏希、俺の三人の写真を眺める。
 小学校を卒業するときの写真だ。

 全員笑顔で、不幸なんて知らない顔をしている。

 あのときに戻れたら、どれだけいいだろう。

 中学校卒業のときの写真もあるが、ひなたが写ってないから、飾るのはやめた。
 天形のことで笑顔になりきれなかったひなたは、写真を撮ることを拒否した。

 天形と出会ってから、ひなたも俺も苦しめられた。

 と言っても、俺は勝手に苦しんでたみたいなところはあるけど。

 ひなたに好きだって言えなくて、幼なじみっていう関係に甘えていたら、奪われて。
 影で嫉妬するという、心底かっこ悪いことをしていた。

 俺ならひなたを苦しめない。
 俺を選べ。

 思っても、言えなかった。

「聖、夏希の弁当も持って行ってくれない?」

 部屋を出て弁当を取りに行くと、夏希の分も渡された。

「……学校違うってわかってる?」