「みんな驚いてたね」

 五年後の、中学の同窓会の帰り道。
 私の隣には酔いつぶれた夏希を、おぶった聖が歩いている。

「ひなた第一の夏希が結婚したってな。まさか嵐士と結婚するとは思わなかったけど」
「親友が義理の弟って、面白い関係になったね」

 あのややこしい恋愛劇から、私にフラれた同盟をふざけて組んで以来、二人はものすごく仲良くなった。

 私が心配していたのがバカらしくなるくらい、二人は高校生活を楽しんでいた。

「なんとなく、嵐士は有川と付き合うんじゃないかって思ってたんだけどな」
「沙奈と?」
「ほら、有川だって本当の嵐士を見ようとしてただろ?」

 確かに、沙奈も偽りの近江君を嫌がっていたけど、そもそも問題、近江君を好きじゃなかったんだから、結ばれるわけがない。

「……いや、ないな」

 聖も同じことを考えたのか、そう呟いた。

「海崎」

 あと少しで家に着こうとしたとき、名前を呼ばれた。
 暗くてよく見えなかったけど、近付けばそこにスーツ姿の天形がいた。

 私と聖は声を殺して笑う。

「……どうせ笑うなら、しっかり笑えよ」
「いや、ごめ……似合わなすぎ……!」

 結局笑ってしまったわけだけど。

「じゃあ、俺先に帰るわ。ひなた、また明日」