さすがに冬花ちゃんの周りを気にしない大きな声と、ドストレートな言葉には照れていた。

「どれだけ騒がれても平気なのに、冬花ちゃんに言われると照れるんだね」
「だってほら……悪がないから。あの純粋な瞳がなんというか……ね」

 まあ、わからないこともない。

 ということは、普段言われているのは嘘だと思っているわけだ。
 だから笑顔で流しているんだ。

 なんだろう……表面だけの付き合いみたい。

「近江君は……冬花ちゃんの言葉以外信じていないの? みんなの言葉、全部を嘘だと思ってるの?」
「時と場合によるかな。とりあえず、有川さんの言葉は信じられるよ」

 悪口を言われ、それが嘘ではないと思うのは複雑な気持ちだろうな。

「そんなことより……ひなたちゃんと冬花、知り合いだったんだね」
「うん。アイス屋で……」

 私はそれ以上話していいのか迷った。

 あのとき、冬花ちゃんは私に、お兄ちゃんの部屋にあった私の写真を見た、と言っていた。

 つまり、近江君が私の写真を持っていたということになる。

 これを話してしまってもいいのだろうか。

「あのね、ふーかが見つけたんだよ。お兄ちゃんが持ってた写真、お姉ちゃんでしょ?」

 迷っていたら、冬花ちゃんが得意げに言った。
 絶対、悪気はない。