「まあ……そうだな。それが一番かもな」


ひなたのような子に、天形みたいな不良は合わないと思っていた。


だから、天形を認めようとしなかったんだと思う。


天形じゃなかったらいいのか、と言われたらわからないけど。


「俺のその態度の結果、天形はひなたを傷つけるってわかっても、ひなたから離れるしかなかった」
「それは違う」


近江は迷うことなく否定してくれた。
嬉しかったけど、俺はそれをさらに否定する。


「違わないんだ。近江だってそうだったろ?周りに王子キャラを求められて、それを演じた。そのキャラでいなきゃいけないと思ったんじゃない?」


近江は目を泳がせる。


「天形も、不良だと思われているからそうならなきゃいけないと思ったのかもしれない」


なんて、ただの俺の憶測にすぎないが。


昨日天形と話してから帰って、少し思い出した。
ひなたと付き合う前後のとき、天形がつまらなくなったと不良たちが噂しているを聞いたことがあった。


そのつまらなくなったというのが、真面目になったといえことなら。
天形はたしかに、変わろうとしていたんだろう。


「それはそう思われるような見た目、行動をしたほうが悪いよ」