署に戻り、湯村が残したボイスレコーダーを聞く。
そこには少女の思い、そして湯村の葛藤が聞き取れた。


その二つを知った俺は、自然と涙がこぼれた。


「相棒の死を悲しんでる……てわけじゃなさそうですね」


俺の前の席の後輩に突っ込まれた。


「お前もこれ聞けばわかるよ」


俺はそいつにボイスレコーダーを渡す。
そして俺は言葉にできない感情を持ったまま、席を立つ。


喫煙室に入ると、煙とともにわけのわからない気持ちを吐き出す。
だけど、それですっきりするわけなかった。


今度はため息。
何をしたって消えない感情に、イライラする。


「あなたがイライラしてるなんて珍しいわね。悩み事?」


先客がいたらしい。
そこにいたのは同期の保科だった。


「ま、だいたい想像つくけど。相方君が自殺したって?」


俺がイライラしているとわかっていながら話を続けているのなら、相当空気が読めない女だ。


「あんな正義感の塊って感じの子が、どうして自殺を?」
「……全国的に起きた自殺事件。知ってるか?」


話の流れを無視した質問に、保科は戸惑いながら頷く。


「その原因となった少女の自殺を湯村は止められなかった。その少女は湯村の拳銃を使って自殺。……あいつは正義感の塊。少女の自殺は自分のせいだと思ったんだろう。だから自殺した」