『こちらこそ、すみません。僕の考えに興味を持ってくださり、ありがとうございます』


丁寧な返事だった。
興味を持った、か。


あながち間違ってない。
賛成はしないが。


しかし、完全に手詰まりだ。
こうして目の前に原因となる思考があるのに。
どうして俺はなにもできないんだ。


『あなたの考えを知り、命を絶った人がいること、知ってますか』


「……しまった!」


無意識だった。
距離の詰め方を間違えたとか、そういう次元の話じゃない。


こんなことを言って、どうする。


『僕のせい……なんでしょうか』


取り消そうと思ったが、それより先に返信が来てしまった。


『そう思うということは、知っていたってことですか』


もう、後には引けない。
警戒されてしまうかもしれないが、今更だ。


『ネットの噂はバカにしない方がいいですよ。いつの間にか僕は神と呼ばれ、僕のために命を絶つという遺書があったという噂があります』


手が止まった。
どう言葉を返せばいいのかわからなかった。


このやり取りは俺たち以外の人にも見えている。
あまり下手なことは言えない。


『死神は、あだ名だったのですね。』


そのせいで、どうでもいいことを返してしまった。