それから店の奥に進んでみると、何処の国のものだかよくわからない人形(それまた気味の悪い笑みを浮かべている)や舞踏用の仮面、蜘蛛の形をしたキャンディー、錆びた鳥籠などなど、店主の趣味を疑う商品に多数巡り合った。

「なんでこんな気持ち悪いものばっかり売るのよ、変なお店!」

 エリカが口をとがらせたその時、彼女の足に毛玉のような何かが触れた。ぞわっと鳥肌を立つ。

 きゃっと小さく叫んで見おろすと、真っ白な猫がエリカの左足に頬をすりよせてみゃあと鳴いた。

 エリカはしゃがんで猫を抱きあげる。

「悪口言って悪かったわね」