「白猫、許さない!アリスを返せ!アリスはどこだ!」
 叫び続けるダイナに、トカゲ王子はたじたじとしている。
 よく見れば、ダイナのお腹の下には、錆びた鳥籠があるではないか。あれにこの骸骨を入れればいいのだ、とエリカは直感した。
 ここは、いくしかないわ。
 エリカはダイナへと、一歩近付いた。

「ここよ!」

(あれ? 何これ)

 喋ったつもりなど毛頭もないのに、どういうわけか、エリカの口からは勇猛果敢な言葉が飛び出していた。

「ただいま、ダイナ。一人ぼっちにさせて、ごめんなさい」

(勝手に口がしゃべっている!)