エリカはトカゲ王子の馬に乗って、ダイナの元へと向かった。
不思議と、恐怖の心は湧いてこない。
だが、りんごの木の下に陣取るダイナを見ると、そんな余裕は削れていった。
なにせ、エリカの知っている「猫」とはまるで体格が違った。虎のように見えるのだ。
それはもちろん、今のエリカがフランス人形の姿をとっているからではあるけれど、エリカの恐怖心はどんどん大きくなっていった。
「白猫、許さない!アリスを返せ!アリスはどこだ!」
ダイナはそう叫びながら、りんごの木を引っ掻いたり、りんごの実を辺りにぶちまけたり、とにかくひどい暴れっぷりだった。
骸骨を持つエリカの手はプルプル震えている。
ダイナが暴れているのに対して、周りは静かなものだった。本来なら木の上で呑気にさえずっているはずの鳥たちも、一切見当たらない。皆近付きたくないのだろう。エリカとて同じ気持ちだ。
不思議と、恐怖の心は湧いてこない。
だが、りんごの木の下に陣取るダイナを見ると、そんな余裕は削れていった。
なにせ、エリカの知っている「猫」とはまるで体格が違った。虎のように見えるのだ。
それはもちろん、今のエリカがフランス人形の姿をとっているからではあるけれど、エリカの恐怖心はどんどん大きくなっていった。
「白猫、許さない!アリスを返せ!アリスはどこだ!」
ダイナはそう叫びながら、りんごの木を引っ掻いたり、りんごの実を辺りにぶちまけたり、とにかくひどい暴れっぷりだった。
骸骨を持つエリカの手はプルプル震えている。
ダイナが暴れているのに対して、周りは静かなものだった。本来なら木の上で呑気にさえずっているはずの鳥たちも、一切見当たらない。皆近付きたくないのだろう。エリカとて同じ気持ちだ。