仕方なしに、そのまま庭を進む。
途中、薔薇のアーチの続く道があったので、その下をくぐりぬけて行くことにした。
ウィリアム・モリスだとか、ピエール・ド・ロンサールといったつる薔薇に囲まれて、エリカの胸は小躍りした。
薔薇は、エリカの一番好きな花と言ってもよかった。
薔薇のアーチを抜けると、大きな沼が現れた。
沼の周りを針葉樹がぐるりと、この沼は俺たちが守るといわんばかりの様子で取り囲んでいる。
しかし、その手前には、黄色い看板がでん、と立っていた。
そこには、「危険、立入禁止」と書かれている。
けれども、かわいそうに、エリカはまだ小学校4年生だ。「立入」「止」以外の漢字はまだ教わっていなかった。
だから、「きけん、たちいりきんし」と声に出して言われればもちろんわかるけれど、文字で書かれただけの看板では、何もわからないのだった。
途中、薔薇のアーチの続く道があったので、その下をくぐりぬけて行くことにした。
ウィリアム・モリスだとか、ピエール・ド・ロンサールといったつる薔薇に囲まれて、エリカの胸は小躍りした。
薔薇は、エリカの一番好きな花と言ってもよかった。
薔薇のアーチを抜けると、大きな沼が現れた。
沼の周りを針葉樹がぐるりと、この沼は俺たちが守るといわんばかりの様子で取り囲んでいる。
しかし、その手前には、黄色い看板がでん、と立っていた。
そこには、「危険、立入禁止」と書かれている。
けれども、かわいそうに、エリカはまだ小学校4年生だ。「立入」「止」以外の漢字はまだ教わっていなかった。
だから、「きけん、たちいりきんし」と声に出して言われればもちろんわかるけれど、文字で書かれただけの看板では、何もわからないのだった。