「もう何年もの間僕たちを脅かしている、暴れ猫のことさ。これまで何度僕たちの小学校が荒らされたことか！」

　なあんだ、たかだか猫が敵ですって！

　白鳥先生の言葉を聞いた途端に、エリカの緊張の糸が解けた。あのかわいらしいにゃんこちゃんの、何が「敵」なの、と考えて、ふと彼らが人間ではなく、鳥だということを思い出した。それなら納得がいく。猫は鳥を捕まえるのが得意ではないか。
「そこで、エリカ――いや、アリス、君にあるミッションを遂行してもらいたい」
　エリカと言いかけたのにわざわざアリスと言い直されるだなんて、あまりいい気分じゃないわ、と思いながら、エリカは尋ねた。
「ミッションってなんですか？」