こんなことを一度に言われたものだから、エリカの頭はすっかり混乱状態に陥った。ゆっくりと、与えられた情報をひとつひとつ確認するかのように、白鳥先生の言葉を頭の中で繰り返す。
(カリノナって、本当の名前じゃない、別の名前ってことよね? つまり、先生は〝エリカ〟っていう名前は、私の本当の名前じゃないって言いたいのね? でも、そんな、私の名前がエリカじゃないだなんて! そんなはずないじゃないの! それに、一体)
「敵ってだあれ?」
最後の一言は、エリカの内言に留まらず、エリカの口から飛び出していた。
「敵なんて、〝あいつ〟しかいないに決まってるだろ!」
知ったかぶりのホオジロが、体をぶるぶる震わせながら叫んだ。気のせいか、口にした途端、空が僅かに陰った。
「〝あいつ〟って?」
(カリノナって、本当の名前じゃない、別の名前ってことよね? つまり、先生は〝エリカ〟っていう名前は、私の本当の名前じゃないって言いたいのね? でも、そんな、私の名前がエリカじゃないだなんて! そんなはずないじゃないの! それに、一体)
「敵ってだあれ?」
最後の一言は、エリカの内言に留まらず、エリカの口から飛び出していた。
「敵なんて、〝あいつ〟しかいないに決まってるだろ!」
知ったかぶりのホオジロが、体をぶるぶる震わせながら叫んだ。気のせいか、口にした途端、空が僅かに陰った。
「〝あいつ〟って?」