どんな境遇に生まれた子であれ、それが少女である限りは、ふわふわとした空想の世界を夢見るものではないだろうか。

 それは、言ってみれば少女の権利みたいなもので、男の子や大の大人なんかには話したって分かりやしないものだから、たいていの少女は自分の心にそっとその夢の世界を押し込めている。