「今までの会話でどこをどう捉えれば、そんな気色悪い話になるんだよ?」
「反発し合いながらも、いずれ分かり合えるようになるのが、男の友情かと思って……」
「………。オモシロイネ、花音チャン」
棒読みで言われた。
重い溜息が続く。
「これはさー。嫉妬してんだよ……、って! 何自分で言ってるんだ! 俺!」
「……えっ!?」
さっきの私みたいに、零さんの大きな声が公園に響いた。そして、自分のもまた。
「そんなに結城さんの事がっ!?」
「怒るよ!? さすがに俺も!」
「分かってますよ……。だったら、零さんだって急に変な事言ってからかわないでくださいっ」
分かっているから冗談で返せるんじゃないか。
はぁ~っ……。
私達は二人同時に溜息を。
脱力したところで、公園の外灯がチカチカと瞬く。
――そういえば、通りのガス灯と違って此処のは電気なんだ……。
数度瞬いたところで元通りの明るさを取り戻す灯りを見上げて、ぼんやりと考えた。
静かな夜。無風の中、心なしか気温が下がった気がする。
賑やかな表通りとは真逆な風景。この辺りの独特な雰囲気も相まって、私は一瞬空間の狭間に閉じ込められた様な、不思議な感覚をもった。