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日に日に季節は進んでいく。昨日より今日、今日より明日。
毎日の変化は本当に気付かない程ゆっくりだけど、でも、やっぱり時間は進むものなのだ。
鮮やかな緑の世界から紅や黄、そこから風が冷たくなって寂しさと白の季節。寂しい季節は感傷的になるからか、私はあまり好きではない。
いつまでも明るい温度に包まれていたいな……と思うせいか、今の季節は感覚が鈍くなるみたいで、僅かな温度変化に対応できなかったりで風邪ひく事も多々あり。
――だからなのか? いや、そういうの関係あり?
最寄駅に着いて外に出てみたら、私は「あれ?」と思った。改札口にある時計を振り返ってしまったくらい。
思ってた以上に外は薄暗かった。
まだまだ日は長いなと思ったのは数日前。たった数日で、日ってここまで短くなるもんなの?
それともここ数日、私はあまりにもボーっと過ごしていたのだろうか……。
とにかく、外は日暮れ。それは想定内。
夕陽がビルの谷間に消えていて、オレンジ色はほとんど見えない。紫がわずか、ほとんど濃い藍色。
これは予想外。
むむ……、と思いつつ足早に駅前通りを歩いた。
ここまで来て引き返すのもなんだし。気持ちが行くつもりになってる分、そういう気も起きない。
私は、パンが入った紙袋を持ち直し真っ直ぐ前だけ見て。歩く。目的地まであと少し。
大通りにある数店のカフェのテラス席には、キャンドルやアンティークデザインのランプが灯っていたけど、そこに座るお客は二組しかいなかった。
それでも大通りを行く人はまだまだ多い。