「な、なんでっ!?」


思わず声が大きくなる私。

すぐにここは廊下だったと気付き、手で口を覆う。夜のマンションの廊下は音が意外に響くのだ。

自分の声に驚いた。そんなに大声出したつもりは無いんだけど。


「私には……話せない事なんですか? それとも、私には……」


(話せるほどの信用が無い……とか……)


肯定されたら怖いので、最後は飲み込んだ言葉。

自分の爪先を見つつ、またまた巡る考え。

お付き合いしてるって事は、私達は恋人同士だって考えて良いんだよね? それがもし特別な関係ならば、相手の事を知りたいし知ってもらいたい。

全くの関係無しの人より、その人になら――好きな人だからこそ――自分の事(秘密とかも)を曝け出せる……と思うのは、私だけなのかな?

それとも他の人ってそういう風に考えないものなの?

恋人だからって、イコール気を許す相手じゃないって事!? 恋人なのに?


ど、どうしよう?

なんか全く分からなくなってきた!