* * *
「……あ……れ?」
違和感に、私はすぐ足を止めた。
いつもの様に通りを一本入ってすぐの小路。見なれた景色が同じ様で……違う。
「あ。やっぱこっちでいいんじゃーん」
一歩後ろで言ってる朋絵に私は振り返った。
「とすると、この五差路で入るトコ間違えたかー」
「……」
違う。違うよ、朋絵。
この小路は五差路じゃなくて三差路じゃなかった?確かその筈なんだけど……どうして?
ふたつ道が増えて……る……?
「どしたの? 花音。顔が怖いよ」
「だって道が……」
五差路を指差す私に、朋絵は笑う。
「別れ道はそのまま真っ直ぐって言ってたじゃん? 結構素直に真っ直ぐ進んだつもりなんだけどね~。どっかでズレてたかなぁ。てかさ、初めから目印聞いときゃ良かったよ」