田所さんだけじゃなく自分まで焦ってくるわ。

ほわっ、と目の下あたりにささやかな熱を感じ、バレないように静かに顔を逸らす私。

妙な間が生まれてしまう。


「ていうかさ、花音ちゃん。彼氏出来たんだ?」


田所さんがそれを埋めてくれ、


「は、はぁ。まぁ。そんな感じです」


恥ずかしい質問だけど、とにかく沈黙よりはマシ……と返事をした。


「え。ならやっぱさ、この間コンビニで会った時ってもう」

「いえっ! あの時はホント! まだそんなんじゃ……!」

「そうなんだ……? 彼氏、イケメンさんなんだね。朋絵っちのあの言い振りじゃ」

「……うっ。そ、そうで……すね」

「ちなみにさ。良いイケメン? 悪いイケメン?」

「は」


なんちゅー質問だっ!

――この話題に乗った事を、ちょっと後悔したい……。


「それは……良い人だって信じたいですよ。と、当事者としては……」

「はははっ! そうだよねーっ!」


爽やかに流し笑ってる田所さんと、のほほん顔のゆるキャラエプロン。ダブルの笑顔が虚しさと更なる恥ずかしさを誘う。

これはちょっとした羞恥プレイでは……っ!?