「今日はどんな一日でしたか? 花音さんの話をしましょう」

「え? 私?」

「はい。何をしていたんですか? 今日は確か……バイトはお休みでしたよね?」

「……そ、そうですけど……」


やっぱりバイトのシフト知ってんですね……何故か!


「それで?」

「え」


先を促す視線が刺さる。

柔らかな微笑みは決して無理強いしていないのに、期待に満ちたというか興味津々というか……とにかく、瞳に宿る音の無い言葉が向けられると、こちらは困ってしまう。


「あの……。そんな面白おかしい一日を過ごしてた訳じゃないんですよ? 私」

「大丈夫ですよ。面白おかしい出来事を期待して聞いてる訳ではありませんから」

「うぅ……。えっと……大学行って、朋絵とランチしたり……。お、お店で藤本さんとお茶したり……そんな程度の事しか……!」

「トモエ……?」

「良く考えたら食べてるかお茶してるかしかしてないですけどっ……。き、今日は特別、本当に何も予定が無かったんです!」


何の弁解なんだかよく分からないものの、暇で時間を持て余し過ごしてるつまらないコと思われたくなくて、私は焦り口を動かす。

その一方、結城さんはそんな事全く聞いて無い感じで、朋絵の名を呟いた後少し考えて……。