考えがすぐ顔に出るとよく言われる私は、今日もまた同じだったらしい。零さんは私の表情にクスクスと笑った。


「そんな顔すんなって。仲良くしよーぜ、花音ちゃん?」

「私、そんな変な顔してます?」

「変な顔も可愛いよ」


どういう意味だ!


「冗談冗談。ああ……だから怒んなって!」

「別に怒ってはいませんっ」


むきになって反論したら益々笑われる。でも、零さんがあんまりにも楽しそうに笑うものだから、最後には見ていた私まで一緒になって笑ってしまっていた。


「零さんって変な人」

「変なのはあの店にも一杯いるだろ」

「またそんなこと言って……」

「アレでいてナユタも結構クセのある奴だし。そうそう藤本のじーさん!」


知ってる?

と、零さんはわざと口元に手を添え内緒話の体を見せる。小声になった彼に私も耳を傾けると……。


「あの人、他の大学のキョウジュなのに、わざわざココの学食までオムライス食いに来るんだぜ? なんか好物らしい」

「ふ、藤本さんって教授なんですかっ!?」

「店ではコーヒーばっか飲んでるんだけどなぁ」

「知らなかった……。なんか教養ある感じで品の良い人だなって思ってたけど……」


まさか、他大学の教授だったなんて!

そんな藤本さんの好きなものがオムライス。なんだか、ちょっと可愛いというイメージがプラスされる。


「今度ナユタ連れてきてやるか。ここのオムライス覚えさせて店で出したら、じーさんどんな反応するか……」


すまし顔が崩れるのは見物だと笑う零さんは、そういう所が問題視されるのでは? という位意地の悪い顔で笑っていた。

まぁ、底意地の悪さというより悪戯を思い付いた子供っぽさが垣間見えたので、こちらも苦笑で受け止めてみたけど。