それに気付かず、自分がこうして存在し続けることだけを考え、陽菜を傷つけてきたんだ……


 私が苦しむのは、陽菜のその優しさに知らないうちに甘えていた罰……のようなものだろう。


 でも。


「一人で生きていく自信なんてないよ……お姉ちゃん」


 涙とともにこぼれたそのこ言葉が、本心なんだとどこか他人事のように思う自分がいた。


 自分がどこに向かっているのか、わからない。ただ、ここではないどこかに行きたかった。
 電車に乗れば簡単に遠くに行けると思った私は、駅に向かう。


 ゆっくり歩く私を、邪魔だと言われんばかりに私にぶつかって横を通っていく人もいた。


 遅くても、なんとなく立ち止まりたくなくて、階段を選んだ。


 その途中に私は、階段を上りながら騒ぐ男子高校生の手にあたってしまい、バランスを崩した。
 体中が痛かった。周りの声が遠くで聞こえる。


 だけど……これで、よかったんだ。


 優翔。私を好きじゃないってわかってたのに、縛り続けてごめん。
 明希。慕ってくれてたのに、騙すようなことしてごめん。
 理久。大事な子を否定したり、奪ったりしてごめん。


 陽菜。
 謝っても謝りきれないし、むしろ謝るべきじゃないと思う。


 ……ありがとう。