「助けてほしいとでも言いたげですね。でも、悪いですけど、私はハルさんの手を振り払います。助けたいと思わないので。……人の人生も、幸せも奪ったくせに」
そう言った明希は、言葉通りに私の手を振り払い、人混みにまぎれてしまった。
一人になった私は、おぼつかない足取りで、どこに向かうわけでもなく歩き始めた。
何がいけなかったんだろう。私はただ、幸せになりたかっただけなのに。
生きていたときに手にできなかった幸せを、掴みたかっただけなのに。
私が今こうしてここにいるのも、あいつが私を呼んだからなのに。
……あいつに不幸を押し付けたから?
でも、そうしなければ……自分が消えてしまうのではないかと思った。
あいつが私のようになりたいと願ってくれなきゃ、意味がない。無意識でもなんでも、そう思っていなれば、私は消える。
それが怖かった。
だから、あいつに不幸を押し付けた。
あいつはこの不幸に耐えていた……?
これだけつらいことがあれば、この世から逃げ出したいと思ってもおかしくない。
そうか。私は、あいつに生かされていたんだ。
あいつに……頼りない姉、陽菜に。
私がこうしてここに存在しているのは、陽菜の無意識な優しさだったんだ。
そう言った明希は、言葉通りに私の手を振り払い、人混みにまぎれてしまった。
一人になった私は、おぼつかない足取りで、どこに向かうわけでもなく歩き始めた。
何がいけなかったんだろう。私はただ、幸せになりたかっただけなのに。
生きていたときに手にできなかった幸せを、掴みたかっただけなのに。
私が今こうしてここにいるのも、あいつが私を呼んだからなのに。
……あいつに不幸を押し付けたから?
でも、そうしなければ……自分が消えてしまうのではないかと思った。
あいつが私のようになりたいと願ってくれなきゃ、意味がない。無意識でもなんでも、そう思っていなれば、私は消える。
それが怖かった。
だから、あいつに不幸を押し付けた。
あいつはこの不幸に耐えていた……?
これだけつらいことがあれば、この世から逃げ出したいと思ってもおかしくない。
そうか。私は、あいつに生かされていたんだ。
あいつに……頼りない姉、陽菜に。
私がこうしてここに存在しているのは、陽菜の無意識な優しさだったんだ。