目が覚めた。
感覚でわかる。
この体が、私だけのものになった。
その瞬間、笑わずにはいられなかった。
「相変わらず気味の悪い笑い方だな」
この世で一番嫌いな声、聴きたくない声が聞こえてきた。
「……理久。もう私……この体に用はないんじゃないの?」
部屋の出入口付近の壁に体を預けて立つ理久は、私を睨むような、だけどどこか切なそうな表情をしていた。
ああ、だから嫌いなんだ。
理久だけは。こいつだけは。私を見ない。私を通して、あいつを見ている。
あんな子供みたいな大人を。
「……まあな」
理久は納得していないように見えた。
「理久が消したの、わかってる?」
「……わかってるよ」
理久は私に背を向けた。そして離れていく。
「理久……!」
私はそんな理久を追った。
私に気付いた理久は、ため息をついた。
「お前は俺が嫌いなんだろ。だったら、出てけよ。俺もお前の性格、嫌いだから」
冷たい。
あいつと入れ替わっているときに感じる理久の優しさは、私には向けられない。
それが、悔しかった。
その優しさを独り占めするあいつが、憎かった。
「……私を……嫌わないで……」
感覚でわかる。
この体が、私だけのものになった。
その瞬間、笑わずにはいられなかった。
「相変わらず気味の悪い笑い方だな」
この世で一番嫌いな声、聴きたくない声が聞こえてきた。
「……理久。もう私……この体に用はないんじゃないの?」
部屋の出入口付近の壁に体を預けて立つ理久は、私を睨むような、だけどどこか切なそうな表情をしていた。
ああ、だから嫌いなんだ。
理久だけは。こいつだけは。私を見ない。私を通して、あいつを見ている。
あんな子供みたいな大人を。
「……まあな」
理久は納得していないように見えた。
「理久が消したの、わかってる?」
「……わかってるよ」
理久は私に背を向けた。そして離れていく。
「理久……!」
私はそんな理久を追った。
私に気付いた理久は、ため息をついた。
「お前は俺が嫌いなんだろ。だったら、出てけよ。俺もお前の性格、嫌いだから」
冷たい。
あいつと入れ替わっているときに感じる理久の優しさは、私には向けられない。
それが、悔しかった。
その優しさを独り占めするあいつが、憎かった。
「……私を……嫌わないで……」