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あまり眠れなかったまま迎えた翌朝、アラームが鳴るまでベッドの中でゴロゴロと過ごしていた。


一週間の最後である金曜日は、普段ならどの平日よりも心が軽く感じられるはずなのに、今日はまるで月曜日の朝のように憂鬱だった。


五分前に止めたアラームのスヌーズ機能が働き、再び軽快な音が鳴り始める。


スマホに指を這わせてダラダラと音を止めると、大きなため息をひとつ零したあとで体を起こした。


「おはよ、ツキ」


ベッドの下にいたツキが膝の上に乗ってきたことで笑みが浮かび、いつものように体をすり寄せてくるツキの頭を優しく撫でる。


重怠い体に鞭を打つように着替えると、両親とツキと一緒に朝食を済ませてから身支度を整えた。


「行きたくないな……」


登校拒否をするようになった頃みたいに全力で逃げ出したくなっているわけではないけど、なかなか足が玄関に向かわない。


そんな私の気持ちを察するように、膝の上にいたツキが開けっ放しにしていたドアから出て行った。


慌てて後を追うと、ツキは玄関にちょこんと座っていて……。


「……わかったよ。じゃあ、いってきます」


ようやくローファーを履いた私に、「ニャア」と可愛い声が返ってきた。