「そういえば」


「ん?」


「あなた、偉そうなことばかり言ってたけど、なにかいい案でもあるの?」


人間不信になっている私にとって、必要以上に人と関わることは簡単ではない。


ひとりぼっちになる瞬間の痛みも恐怖心も知っているからこそ、人と関わることはリスクばかりだと思っている。


信じていた友達に手を離されてひとりになるくらいなら、最初からひとりでいればいい。


ひとりでいれば誰かに期待なんてしないし、縋りつく相手がいないことがわかっているからそれなりに諦めもつく。


そうしていれば、助けを求めて伸ばし掛けた手を拒絶されてしまった時のあの絶望的な気持ちを味わうことも、真っ暗な闇の中に一瞬で突き落とされるような感覚に襲われることも、きっとないはずだから……。


外に出れば自分を守れるのは私自身だけで、必要以上に人との関わりを持たないようにすることが私にできる自分自身を守る方法。


そんな風に身構えて生きるようになってからもうすぐ三年になり、その間に心はどんどん頑なになっていっているような気がする。


そして、それをよくわかっているからこそ、たったの一ヶ月でなにかが変わるかもしれないなんて期待は、淡く持つことすらいけないように思い始めていた。