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翌日は塾がある木曜日で、授業が終わるのが二十一時前だから、二十時に公園に行くことは不可能だった。


クロは、私が月曜日と木曜日に塾に通っているということも知っていたけど、それを言われてももう驚かなかった。


彼が私のことをどれだけ知っているのかはわからないし、我ながら危機感が欠けているとは思う。


それでも、クロ自身に恐怖心は感じなくて、相手が強引だったにせよ、交わした約束は守るつもりだった。


今はまだ、やっぱり友達が欲しいとは思えない。


人と関わることで深く傷ついてしまう怖さを知っているから、消えないトラウマを抱えたままで変われるとも思えない。


ただ、クロの正論に言い返せなかったのは、頭ではわかっていたから……。


だから、駆け引きには腹が立ったし言い包められたようで不本意だけど、ひと晩が経った今は彼の提案に乗ってみてもいいかもしれないと思えるようになっていた。


もしかしたら、これもクロの手の内なのかもしれないし、私は彼に手のひらで転がされているのかもしれない。


「千帆!」


そう思うとやっぱりムカついたけど、公園の前で私のことを待っていたクロの笑顔を見た瞬間、不思議なことにそんな気持ちは忘れていた。