夜を迎えるまでは、本当にあっという間だった。
今日が最後だとわかっているから、どんな顔をすればいいのかわからない。
ため息を零しながら部屋を出ようとした時、ツキが「ニャア」と鳴いた。
振り返ると、ツキは私をじっと見つめていて、どこかいつもとは違うことに気づいたけど……。
「どうしたの?」
首を傾げてみても、ツキはその場から動こうとはしない。
ただ真っ直ぐに私を見つめる瞳はなにか言いたげだけど、私にはツキの気持ちを読み取ることはできなかった。
「最近、お留守番ばかりでごめんね。でも……今日で最後だから」
しゃがんでツキを抱き上げると、ツキは甘えたような鳴き声を何度か上げた。
「寂しいの……?」
いつも気になってはいたけど、私がクロと過ごしている時間の分だけツキはひとりでいたのだから、きっと寂しかったに違いない。
「明日からはいっぱい一緒にいるからね」
ツキへの申し訳なさから今だけは彼のことを考えないように努め、ツキの額にそっと口づけた。
いつもは眠る前にする額へのキスだったけど、なんとなく今したくなってしまったから。
後ろ髪を引かれるような思いだったけど、ツキを残して「行ってくるね」と笑って部屋を出た。
今日が最後だとわかっているから、どんな顔をすればいいのかわからない。
ため息を零しながら部屋を出ようとした時、ツキが「ニャア」と鳴いた。
振り返ると、ツキは私をじっと見つめていて、どこかいつもとは違うことに気づいたけど……。
「どうしたの?」
首を傾げてみても、ツキはその場から動こうとはしない。
ただ真っ直ぐに私を見つめる瞳はなにか言いたげだけど、私にはツキの気持ちを読み取ることはできなかった。
「最近、お留守番ばかりでごめんね。でも……今日で最後だから」
しゃがんでツキを抱き上げると、ツキは甘えたような鳴き声を何度か上げた。
「寂しいの……?」
いつも気になってはいたけど、私がクロと過ごしている時間の分だけツキはひとりでいたのだから、きっと寂しかったに違いない。
「明日からはいっぱい一緒にいるからね」
ツキへの申し訳なさから今だけは彼のことを考えないように努め、ツキの額にそっと口づけた。
いつもは眠る前にする額へのキスだったけど、なんとなく今したくなってしまったから。
後ろ髪を引かれるような思いだったけど、ツキを残して「行ってくるね」と笑って部屋を出た。