「ただいま、ツキ」


「ニャア」


可愛い鳴き声で出迎えてくれたツキに笑みが零れ、ツキを抱いてベッドに腰掛けた。


「プレゼント、もらっちゃった」


あのあとすぐに堀田さんに急かされ、ロゴ入りの白い紙袋の中からラッピングバッグを出してリボンを解くと、ルームウェアとヘアーバンドが入っていた。


ノースリーブとショートパンツのルームウェアはパイル地で、デザインはホワイトと淡いブルーのボーダー柄。


頭にリボンの結び目が来るように着けるヘアーバンドも同じデザインで、ふたりも色違いのものを持っていると言っていた。


プレゼントをもらえたことやお揃いだということはもちろん、ふたりから『夏休みにパジャマパーティーをしよう』と誘われて、さらに嬉しくなった。


今日がクロと会う最後の日ではなかったとしたら、もっと心底喜んでいたに違いないけど……。


どんなに嬉しくても彼のことが頭から離れなくて、結局は単純に笑顔で過ごすことはできなかった。


「可愛いでしょ? お揃いなんだって」


だから、ベッドに広げたルームウェアを見ていても油断すれば泣いてしまいそうで、ツキに向けた表情は歪んでいたかもしれない。


そんな私の気持ちを察するように、ツキが小さく鳴いた。