すかさず頼子が、
「殿村くん、和奈はアナタと違って名字をイジられるの好きじゃないの。それに、不潔だから触らないで」
と間に入ってくれる。私は、そこまで言わなくても、と思って、ふたりの顔を見ながらあたふたしてしまう。
「へぇ、じゃあ和奈ちゃん? ありがとう。あとで返すね」
しっかりと私の目を見て、笑顔でそう言った殿村くんは、
「ねー、村っちー、借りてきたからこのお守りの紐くっつけて―」
と、ほかの女子のところへ移動した。
殿村くんがポケットから取り出したそれは、最近はやっている青いお守りストラップだ。私もひとつ持っている。
「殿村くん、今日も通常運転で軽いわね」
「うん……」
でも、誰にでも分け隔てなく話しかけてくれるし、いい人だと思う。いるだけで周りが明るくなるっていうのは本当に人気者の証拠だし、持って生まれた才能のようにも思えて、純粋に憧れてしまう。
「殿村くん、和奈はアナタと違って名字をイジられるの好きじゃないの。それに、不潔だから触らないで」
と間に入ってくれる。私は、そこまで言わなくても、と思って、ふたりの顔を見ながらあたふたしてしまう。
「へぇ、じゃあ和奈ちゃん? ありがとう。あとで返すね」
しっかりと私の目を見て、笑顔でそう言った殿村くんは、
「ねー、村っちー、借りてきたからこのお守りの紐くっつけて―」
と、ほかの女子のところへ移動した。
殿村くんがポケットから取り出したそれは、最近はやっている青いお守りストラップだ。私もひとつ持っている。
「殿村くん、今日も通常運転で軽いわね」
「うん……」
でも、誰にでも分け隔てなく話しかけてくれるし、いい人だと思う。いるだけで周りが明るくなるっていうのは本当に人気者の証拠だし、持って生まれた才能のようにも思えて、純粋に憧れてしまう。