「あっ! そうだった! 央寺くん、お昼ご飯っ……」
「いや、もういいよ。四時上がりだから」
央寺くんは淡々とそう言って、返却分のDVDとCDをジャンル分けしている。
「ごめん……なさい」
タイミング的に仕方がなかったとはいえ、申し訳ない気持ちで謝ると、
「何、そのギャップ」
と言って、央寺くんは急に噴き出した。肩を揺らし、クックッと笑っている。
「さっきの姫野、幻? すごいかっこよかったんだけど」
「…………」
「それに、俺じゃ困ってる男の子に気付けなかったかも」
央寺くんは微笑んだまま、隣で棒立ちになっている私を見下ろし、背中をポンッと叩いた。
「そ、そんなこと……」
と言いよどむ。
「あるよ」
「え?」
「姫野だからこそ、できることがあるってこと」
その言葉に、私はあいかわらず治せない赤面で俯いた。
そして、小さな声で「……うん」と頷いた。
「いや、もういいよ。四時上がりだから」
央寺くんは淡々とそう言って、返却分のDVDとCDをジャンル分けしている。
「ごめん……なさい」
タイミング的に仕方がなかったとはいえ、申し訳ない気持ちで謝ると、
「何、そのギャップ」
と言って、央寺くんは急に噴き出した。肩を揺らし、クックッと笑っている。
「さっきの姫野、幻? すごいかっこよかったんだけど」
「…………」
「それに、俺じゃ困ってる男の子に気付けなかったかも」
央寺くんは微笑んだまま、隣で棒立ちになっている私を見下ろし、背中をポンッと叩いた。
「そ、そんなこと……」
と言いよどむ。
「あるよ」
「え?」
「姫野だからこそ、できることがあるってこと」
その言葉に、私はあいかわらず治せない赤面で俯いた。
そして、小さな声で「……うん」と頷いた。