「塾には毎日通っていたんですか?」

 どこにいるのかわからない美由紀を見上げながら、詠斗はそう静かに尋ねた。

『授業があるのは火曜・水曜・木曜です。部活を引退したら自習も含めて平日は毎日通う予定でした』

「ちなみに、先輩が襲われたのって?」

『四月三日の水曜日です』

 今日が水曜日なので、まるっと一週間が経ったわけか。

 見方を変えれば、ちょうど一週間が過ぎようという昨日、新たな被害者が出てしまったとも言える。二つの事件に関連があるのなら、この時間的空白にはどんな意味があるのか――。

 改めて、詠斗はそっと宙を見上げた。