唐突に転がり出た兄の名に、詠斗は図らずも身構えてしまった。
「『詠斗が困っているようだから助けてやってくれ。あいつの話に嘘はない、僕が保証する』って」
何を勝手な、と詠斗は深いため息をついた。
「別に困ってないし、兄貴の保証が何の役に立つのかもわからないんだけど」
「何言ってるの、あの傑くんが保証してくれるんだからこれ以上のことはないでしょ? ねぇ、巧くん?」
「……や、さすがにそれは同意しかねるな。オレ、詠斗の兄貴のことよく知らねぇし」
「傑くんはすごいんだよ?! 詠斗のことは誰よりもよく知ってるし、頭もいいし、足は長いし、穂乃ちゃんは美人だし」
「やめろ紗友、説得力のかけらもない。というか、兄貴から保証されて満足なら巧を巻き込む必要なかったろ?」
「ほら、仲間は多いほうがいいかなって」
何が「ほら」だ。詠斗は眉間に深々としわを刻んだ。
『楽しそうですねぇ』
その時、不意に美由紀の声が降ってきた。
「『詠斗が困っているようだから助けてやってくれ。あいつの話に嘘はない、僕が保証する』って」
何を勝手な、と詠斗は深いため息をついた。
「別に困ってないし、兄貴の保証が何の役に立つのかもわからないんだけど」
「何言ってるの、あの傑くんが保証してくれるんだからこれ以上のことはないでしょ? ねぇ、巧くん?」
「……や、さすがにそれは同意しかねるな。オレ、詠斗の兄貴のことよく知らねぇし」
「傑くんはすごいんだよ?! 詠斗のことは誰よりもよく知ってるし、頭もいいし、足は長いし、穂乃ちゃんは美人だし」
「やめろ紗友、説得力のかけらもない。というか、兄貴から保証されて満足なら巧を巻き込む必要なかったろ?」
「ほら、仲間は多いほうがいいかなって」
何が「ほら」だ。詠斗は眉間に深々としわを刻んだ。
『楽しそうですねぇ』
その時、不意に美由紀の声が降ってきた。