「所轄の刑事課に知り合いがいてな。『創花に通っている弟が何やら困っているらしいから助けたい』と言ったらあっさり提供してくれたよ」
「ウソね、どうせ脅し取ってきたんでしょ」
「人聞きが悪いことを言うな。ちょっと横っ腹をつついてやっただけでやましいことは何も」
「はいはい、盗んだ事実は変わらないからもう結構です」
「む、盗んでなどいないぞ? ちょっと拝借しただけだ」
「もう、バレたらどうするつもりなのよ?!」
「どうもしないさ。バレないのだからな」
「あのねぇ……!」
はっはっは、と笑う傑に、まだ何やら説教じみたことを口にしている穂乃果。楽しそうで何よりですね、とでも言ってやるべきだっただろうか。詠斗はくしゃりと髪を触った。
「さて」
そう言うと、傑は改まった様子で詠斗と向き合った。
「話を聞かせてもらおうか――お前は一体、どんな声を聴いたんだ?」
「ウソね、どうせ脅し取ってきたんでしょ」
「人聞きが悪いことを言うな。ちょっと横っ腹をつついてやっただけでやましいことは何も」
「はいはい、盗んだ事実は変わらないからもう結構です」
「む、盗んでなどいないぞ? ちょっと拝借しただけだ」
「もう、バレたらどうするつもりなのよ?!」
「どうもしないさ。バレないのだからな」
「あのねぇ……!」
はっはっは、と笑う傑に、まだ何やら説教じみたことを口にしている穂乃果。楽しそうで何よりですね、とでも言ってやるべきだっただろうか。詠斗はくしゃりと髪を触った。
「さて」
そう言うと、傑は改まった様子で詠斗と向き合った。
「話を聞かせてもらおうか――お前は一体、どんな声を聴いたんだ?」