たとえ高校の先輩だとしても、霊に憑りつかれるなんて御免だ。ただでさえ不自由を背負う身だというのに、これ以上負担になるようなことになっては面倒以外の何物でもない。
『ふふ、大丈夫ですよ。肝心の私が人間に憑りつく方法を知りませんから』
「……そういうのって、自然にわかったりしないんですか」
『しないようですね、どうやら』
そういうものなのか。なんだかややこしくなってきたので、これ以上深く掘り下げるのはやめた。
「……了解です。何はともあれ、事件のことも含めてもう一度状況を整理したいので、明日の同じ時間にまたここへ来ます。僕が来たら、あなたのほうから声をかけてください」
『わかりました。それでは、授業がんばって』
その言葉を最後に、美由紀の声が聴こえることはなかった。自宅へ戻ったのか、はたまた自分が死んでしまった場所へと飛んで行ったのか――。
『ふふ、大丈夫ですよ。肝心の私が人間に憑りつく方法を知りませんから』
「……そういうのって、自然にわかったりしないんですか」
『しないようですね、どうやら』
そういうものなのか。なんだかややこしくなってきたので、これ以上深く掘り下げるのはやめた。
「……了解です。何はともあれ、事件のことも含めてもう一度状況を整理したいので、明日の同じ時間にまたここへ来ます。僕が来たら、あなたのほうから声をかけてください」
『わかりました。それでは、授業がんばって』
その言葉を最後に、美由紀の声が聴こえることはなかった。自宅へ戻ったのか、はたまた自分が死んでしまった場所へと飛んで行ったのか――。