「……何を言ってるの? 君は」
「おかしいですよね。俺も最初は自分のことを疑いましたよ。でも、俺に聴こえていたのは間違いなく亡くなった羽場美由紀先輩の声で、美由紀先輩はあなたの無実を証明してくれと俺に頼んできたんです」
すべての始まりを口にすると、なんだが不思議な気持ちになった。一週間前、ここで初めて美由紀の声が聴こえた時は、まさか事件があんな結末を迎えるとはつゆほどにも思っていなかったのだから。
詠斗がうっすら苦笑いを浮かべると、知子はますます険しい顔になった。
「……本当なの? 紗友」
知子は隣に佇んでいる紗友に目を向けた。俄かには信じられないのも頷ける。初対面の後輩が死者の声を聴いて自分の無実を証明しようとしたなんて、詠斗ですら夢じゃないかと疑ったほどだ。
「嘘みたいな話ですけど、本当なんです。詠斗は嘘をつきませんし、実際に美由紀先輩の手を借りて事件を解決してみせましたから」
「おかしいですよね。俺も最初は自分のことを疑いましたよ。でも、俺に聴こえていたのは間違いなく亡くなった羽場美由紀先輩の声で、美由紀先輩はあなたの無実を証明してくれと俺に頼んできたんです」
すべての始まりを口にすると、なんだが不思議な気持ちになった。一週間前、ここで初めて美由紀の声が聴こえた時は、まさか事件があんな結末を迎えるとはつゆほどにも思っていなかったのだから。
詠斗がうっすら苦笑いを浮かべると、知子はますます険しい顔になった。
「……本当なの? 紗友」
知子は隣に佇んでいる紗友に目を向けた。俄かには信じられないのも頷ける。初対面の後輩が死者の声を聴いて自分の無実を証明しようとしたなんて、詠斗ですら夢じゃないかと疑ったほどだ。
「嘘みたいな話ですけど、本当なんです。詠斗は嘘をつきませんし、実際に美由紀先輩の手を借りて事件を解決してみせましたから」