美由紀の親友であり、美由紀殺害の第一容疑者ともくされていたその人は、ボーイッシュなショートヘアが切れ長の目もとと高い背によく映えていて、いかにも運動部の部長らしいスマートな容姿の女性だった。これは女子にもモテるタイプだな、と詠斗はしみじみ観察してしまっていて、小さく首を振ってから口を開いた。
「はい、美由紀先輩のことで」
あれやこれやと説明したらむしろややこしくなってしまいそうだったので、詠斗は努めて簡潔に話を進めることにした。
「俺は生まれつき耳が不自由で、中学の時に何の音も聴こえなくなりました。でも、つい昨日まで、俺の耳には美由紀先輩の声が聴こえていたんです」
正直に、起こっていた出来事をそのまま話すと、知子の顔が急に険しくなった。
「はい、美由紀先輩のことで」
あれやこれやと説明したらむしろややこしくなってしまいそうだったので、詠斗は努めて簡潔に話を進めることにした。
「俺は生まれつき耳が不自由で、中学の時に何の音も聴こえなくなりました。でも、つい昨日まで、俺の耳には美由紀先輩の声が聴こえていたんです」
正直に、起こっていた出来事をそのまま話すと、知子の顔が急に険しくなった。