え、と言ったつもりが、声にならなかった。

 今、美由紀は何と言っただろう。

 天国へ、行く――?

『お別れを、言いに来ました』

 呆然としている詠斗に向けて、美由紀はそう静かに告げた。

『あなたと会うのは、これが最後です』

 確かに耳に届いた声に、詠斗は言葉を失った。