『……償いましょう』

 不意に、美由紀が美由紀自身の言葉を口にした。

『きちんと償えば、きっと未来は変えられます。生きている限り、お二人には明日がやってくるのですから』

 届かないと知りながら、優しく、そして強く、美由紀は神宮司と千佳に向けて言葉をかけていた。

 美由紀にはわかっているのだろう。

 こうして言葉にすることで、詠斗が二人に届けてくれるのだということを。

「……ちゃんと罪を償おう、二人とも」

 その想いに応えるように、詠斗は美由紀の言葉を口にした。

「生きている限り、あんた達には明日が来る。あんた達の気持ち次第で、未来は変えられるはずだ」

 美由紀の想いを届けられるのは、この世で自分だけなのだから。