「……あ、あの」
どこを向いて話せばいいのかわからないまま、詠斗はやや斜め上方面を見ながら再び口を開いた。
「あなたは……?」
姿の見えない相手。
どれだけ頭を捻っても、想定されるのは――。
『すみません、突然のことで驚かれましたよね。私は創花高校二年……あ、いえ。生きていれば、今年三年生になる予定でしたが』
「生きて、いれば」
やっぱりそういうことか、と詠斗はごくりと唾を飲み込んだ。目に見えない誰かが『えぇ』と綺麗な言葉で相槌を打ってくる。
『私の名前は羽場美由紀《はばみゆき》――先週、知らない誰かに殺されてしまって』
どこを向いて話せばいいのかわからないまま、詠斗はやや斜め上方面を見ながら再び口を開いた。
「あなたは……?」
姿の見えない相手。
どれだけ頭を捻っても、想定されるのは――。
『すみません、突然のことで驚かれましたよね。私は創花高校二年……あ、いえ。生きていれば、今年三年生になる予定でしたが』
「生きて、いれば」
やっぱりそういうことか、と詠斗はごくりと唾を飲み込んだ。目に見えない誰かが『えぇ』と綺麗な言葉で相槌を打ってくる。
『私の名前は羽場美由紀《はばみゆき》――先週、知らない誰かに殺されてしまって』