「この計画を思い付いたのは神宮司くんでも、実際にやると決断したのは私の意思。やるしかなかった……やれば助かる、救われるんだって、本当にそう思ったから……裏切ったら万引きのことをバラすって華絵ちゃんから脅されて……逃れるためには、殺すしか……殺すしかなかった……!」

 大粒の涙が作り出す河が、千佳の告白の終わりを告げた。傑が千佳の頭を優しくなで、「よく話してくれたな」と微笑んだ。

「神宮司」

 詠斗は顔を上げない神宮司に向かって声をかけた。

「本当に、そうだったのか?」

 ようやく上がった神宮司の顔は、たくさんの負の感情でぐちゃぐちゃに歪んでいる。