昨日が始業式で、今日から早速通常授業が始まる。とはいえ、一時間目はホームルームで、まるまる自己紹介やら各種委員決めやらで時間がつぶれる予定だった。
窓側の最後列。そこが詠斗に与えられた席だった。吉澤なんていう苗字のおかげで、出席番号はたいていビリっけつ。一年の時もそうだったし、今年もそう。この窓際の角はもはや詠斗のために設けられた席のようなものだ。詠斗にとっては、さっぱりありがたくないのだけれど。
美化委員会という人気のない、かつ当たり障りのなさそうな役職をさっさと選び、詠斗は自分の席でぼんやりと外の景色を眺めていた。四月も八日となれば、桜の花びらはとうに散りきってしまっていて、青々とした葉が陽の光にきらめいている。
春らしく、今日は風が強いようだ。木々は大きく揺れ、時折窓ガラスがぶるると振動している。クラスメイトにはみしみしという音が聴こえているのだろうけれど、詠斗には想像することしかできなかった。
黒板のほうへと目を向ける。書き出された委員会一覧の下には、まだ名前の埋まっていないところがちらほらある。授業終了まであと十分弱。上手くまとまるかどうか、新しいクラス長の腕の見せ所といったところか。
窓側の最後列。そこが詠斗に与えられた席だった。吉澤なんていう苗字のおかげで、出席番号はたいていビリっけつ。一年の時もそうだったし、今年もそう。この窓際の角はもはや詠斗のために設けられた席のようなものだ。詠斗にとっては、さっぱりありがたくないのだけれど。
美化委員会という人気のない、かつ当たり障りのなさそうな役職をさっさと選び、詠斗は自分の席でぼんやりと外の景色を眺めていた。四月も八日となれば、桜の花びらはとうに散りきってしまっていて、青々とした葉が陽の光にきらめいている。
春らしく、今日は風が強いようだ。木々は大きく揺れ、時折窓ガラスがぶるると振動している。クラスメイトにはみしみしという音が聴こえているのだろうけれど、詠斗には想像することしかできなかった。
黒板のほうへと目を向ける。書き出された委員会一覧の下には、まだ名前の埋まっていないところがちらほらある。授業終了まであと十分弱。上手くまとまるかどうか、新しいクラス長の腕の見せ所といったところか。